全国の政令指定都市を中心に、90店舗以上のホテルチェーンを展開する株式会社グリーンズ(以下、グリーンズ)では、座席抽選サービス「らくーざ」、および研修やセミナー向けの「らくーざforセミナー」を活用し、社内のコミュニケーション活性化に取り組んでいる。導入の経緯や成果について詳しく伺った。
60年以上のホテル運営の実績をもつホテルオペレーター企業。40ヵ国以上7,000軒以上を擁する米国「チョイスホテルズインターナショナル社」が世界で展開するホテルブランド「コンフォート」ブランドの宿泊特化型ホテルを、北海道から沖縄までの全国政令指定都市や県庁所在地を中心に運営。また三重県を中心に、東海・北陸地方では宿泊特化型ホテルのほか、集宴会・レストランを兼ね備えたシティホテルなどを、地域のニーズや市場環境にあわせ展開。
― らくーざの利用状況について教えてください。
当社では2019年7月に移転した本社オフィスにおいて、一部の役員や業務担当者を除きフリーアドレス制を導入しました。その対象となる約150席の座席抽選にらくーざを利用しています。
また別途、全国のチョイスホテルズの責任者が年に一度集う戦略会議において、参加者のグループ分けにらくーざforセミナーを利用しました。
― ではまず、らくーざの利用状況について、詳しく教えてください。
■社員用出入口に設置されている2台のらくーざ用タブレット端末
本社オフィスでは出社時、社員用出入口に設置しているタイムレコーダにICカードで出社時間を記録。そのまま、タブレット端末上のらくーざで座席を抽選します。座席候補が3席提示されるので、好きな座席を選ぶという流れとなります。
就業中は各自のPCかららくーざの画面を開いて、各社員が社内にいるのかどうか、またどの席に座っているかを確認するのに利用しています。
■オフィスのマップイメージ
― フリーアドレスおよび座席抽選制を導入した目的を教えてください。
ペーパーレス化というねらいもありますが、社内のコミュニケーションを円滑化・活性化するというのが重要な目的となります。
これまでは部署ごとにフロアやスペースが分散されており、たとえば部署の異なる社員が打ち合わせをする際には、時間を調整し、会議室を確保し、資料を用意するといった手間や時間がかかっていました。また、当社には柱となる2つの事業があり、そのシナジーを高めるためにも、部署や役職の壁を取り払い、必要なときに必要なメンバーがさっと集まり、資料を画面で見ながら打ち合わせや話ができるような空間と関係性を促すことをめざして、本社をワンフロアに集約し、フリーアドレス制を導入することにしました。
座席抽選制に関しては、これまで営業部門でフリーアドレス制を実施する中で、座席の固定化が見られたこと。そして「10年先を見据え、楽しみながら変わっていこう」という当社の方針にも合致しており、新しいことに挑戦してみたいという思いもあり導入を決めました。
― フリーアドレス制や座席抽選に関して、不安や不満の声などはありませんでしたか。
オフィス移転という大きな変化の中、ワンフロアもはじめて、フリーアドレス制にも慣れていない、座席抽選制もはじめてという三大変化の中で、戸惑いの声がなかったわけではありません。しかし、経営者のオフィス改革へ取り組む方針にブレがなく、移転をサポートしてもらったコンサルタントからも質の高い提案を受けることができたので混乱などは見られませんでした。
また、導入後も社員からの要望や不満をヒアリングしながら環境の改善に努めています。たとえば、座席抽選に関しては、抽選後の選択肢を増やしてほしいという声を受けて、選択肢を2席から3席に増やしたりしています。
■グリーンズの本社オフィスの様子
― らくーざを採用した理由を教えてください。
コンサルタントより導入提案を受けたのがらくーざでした。実際に使い勝手を確認して、下記の理由から採用を決めました。
― らくーざの利用も含め、座席抽選制に対する反応はいかがでしたか。
本社勤務の全社員がスムーズに受け入れたとは思っていませんが、慣れるにしたがって社員間の交流は確実に広がっています。また、新鮮な気持ちで仕事に向き合えるようになったというような声も聞かれるようになってきました。
ドラスティックにオフィス環境が変化する中、順調にスタートを切れたのには、らくーざが少なからず貢献していると私たち運営側では捉えています。
― それでは引き続き、らくーざforセミナーの利用状況について教えてください。
チョイスホテルズでは、年に1回、全国ホテルの責任者が一堂に会した戦略会議を開催しています。その中で、参加者によるチーム対抗のゲーム大会を実施するのですが、そのチーム分けにらくーざforセミナーを利用しました。
チーム分けは本社オフィスのようにタブレットで抽選するのではなく、あらかじめ参加者にらくーざforセミナーへアクセスするためのURLを通知しておき、各自のスマートフォンやタブレット端末で所属チームおよびテーブル席を抽選してもらいました。
― なぜ、チーム分けの抽選を行ったのでしょうか。
ゲーム大会には、いろいろなねらいがありますが、普段、交流のない地域や店舗の責任者の交流を促すというのも重要な目的の1つです。そのため、今回だけでなくこれまでもランダムにチーム分けを行ってきました。
― 以前は、どのようにチーム分けを行っていたのですか。
200名におよぶ参加者をランダムにチーム分けするのは簡単なことではありません。そのため、表計算ソフトのマクロ機能を使ってチーム分けを行っていましたが、毎年、参加者、参加人数、チーム数などが異なるため、マクロの調整には手間がかかっていました。
― らくーざforセミナーを利用した経緯を教えてください。
本社オフィスでらくーざを使っていて、チーム分けにも利用できるのではないかと考えたのがきっかけでした。検討の結果、面倒な開発やシステムの設定が不要で、抽選も各自参加者に任せることができるので、これまでより運営側の負荷を軽減できること。さらには、一見、堅苦しく感じられる会議において、スマートフォンで所属するチームを抽選することで、楽しさや先進性を感じてもらえるのではないかとも考え利用を決めました。
― 参加者の反応はいかがでしたか。
概ね好評で、利用に関して参加者側も運営側にも混乱などはありませんでした。また、本社オフィスでフリーアドレスおよび座席抽選を実施していることへの興味喚起にもつながったと思いますので、今後も利用していきたいと考えています。
― NJCネットコミュニケーションズへの要望や期待があれば教えてください。
オフィス移転に関するさまざまな業務に追われる中、当社からの質問や要望へと迅速に対応してもらえたので、安心して導入を進めることができました。また、らくーざforセミナーを導入する際も、柔軟に対応してもらい、日本事務器およびNJCネットコミュニケーションズには感謝しています。
オフィス環境の改善や働き方改革への取り組みは、短期間で具体的な成果に直結するとは限りませんので、これからも継続的に取り組んでいきたいと考えており、今後も、サービスの機能向上とこれまでと変わらない対応に期待しています。
*取材日時 2020年3月