東宝グループの総合広告代理店「TOHOマーケティング株式会社(以下、TOHOマーケティング)では、 フリーアドレスオフィスのデメリットを解消するため「らくーざ」を採用。 そのねらいと成果について詳しく伺った。
創業1963年、クライアントの課題を、映画・演劇の宣伝ノウハウを用いて解決するマーケティング会社。映画・演劇を中心に、膨大なエンターテインメント作品を提供している東宝グループの総合広告代理店として、映画・演劇などのさまざまな広告宣伝はもちろん、TVCM・予告編・プロモーション映像制作、映画館などを使用して行う各種イベント、TV・新聞・WEB・OOH(交通広告や屋外広告など)の企画・制作から広告展開、各メディアへのパブリシティ、さらには東宝配給作品のローカル映画の宣伝までを一貫して手がける。「たねも、しかけも、つくります」を合い言葉に、エンターテインメントに特化した問題解決型企業として活動している。
― らくーざの利用状況について教えてください。
現在、当社の本社部門は同じビル内の2フロアを利用しています。営業部門や制作部門などが利用するフロアでフリーアドレスオフィスに、総務や経理などの業務部門やデザイナーが利用するフロアは固定席となっており、それぞれの座席抽選にらくーざを利用しています。 座席は合計約100席となります。なお、集中して仕事をしなければならない場合もありますので、集中席や1人用の席などの座席の種類は抽選時に選べるようにしています。
■各フロアに設置されているらくーざ(座席抽選)用のタブレット端末
― すべての座席にフリーアドレスを導入しなかった理由を教えてください。
管理部門やデザイナーなど機密性の高い業務を行う部署は、情報漏えいの抑止などの理由からフロアを分け、固定席としています。
― 座席抽選を導入したねらいを教えてください。
本社オフィスの移転を契機に、3年先、5年先といった未来を見据えたオフィス改革を実践しました。具体的には、労働環境の整備による生産性や従業員のモチベーション向上、そして毎日会社に来るのが楽しくなるようなオフィスを目指しました。 フリーアドレスの導入もその一環となります。オフィスから不要なものを徹底的に「廃棄」し、部門を越えた「共有」によって、コストダウンだけでなく新しいシナジー効果を生み出すことが主な目的となります。 座席抽選サービスは、フリーアドレスのデメリットを解消するために導入しました。
― フリーアドレスによって生じる可能性のあるデメリットとは。
座席を自由に選べるようにすると、次のようなデメリットが生じる可能性があると考えました。
― らくーざの導入による成果は出ていますでしょうか。
らくーざによって座席の固定化は確実に防げるようになっています。座席抽選サービスの役割は、フリーアドレスの導入効果とも密接に関係していますので、その点も踏まえ成果を紹介させてください。
― らくーざを選定した経緯について教えてください。
フリーアドレスの採用を決めた段階で、座席抽選機能が必要だという認識は持っていたのですが、正直、オフィス移転に関してあまりにも対応しなければならないことが多く後回しとなっていました。また、当初導入しようと当てにしていたシステムが外販されていないことがわかり、その時点から慌ててシステムを探し始めたというのが正直なところです。しかし、らくーざとの出会いがなかったらフリーアドレス化はもっと大変だったかもしれません。
― らくーざを採用した理由を教えてください。
らくーざを採用したポイントは、次のとおりです。
― 導入時に苦労したことなどはありませんでしたか。
らくーざの導入はスムーズで、移転初日の利用に関しても特に問題となるようなことはありませんでした。
― フリーアドレスや座席抽選に関して、反対意見や拒否反応などはありませんでしたか。
東宝グループの中でフリーアドレスを導入するのは当社がはじめてでした。社内だけでなくグループ内に対しても目的などの説明が必要な場面もありましたが、フリーアドレスに限らず、新しいことに取り組もうとすると反対意見は出るものです。 そのため、「今までの考え方を変え、生き生きと仕事ができるよう最高のオフィス環境を一緒に作る」という理念を掲げ、社内に全部署の代表者が参加する「オフィス改革プロジェクトチーム」を立ち上げました。その活動を通じて、各部署の意見を吸い上げると同時に、このプロジェクトのさまざまな取り組みのねらいや意図を各部署に伝えてもらうようにしました。 座席抽選に関しては、フリーアドレスのデメリットやそれを解消する座席抽選のメリットをしっかりと説明しました。そのためか大きな反対などはありませんでした。むしろ、私たち自身は座席抽選なくしてフリーアドレスの成功はなかったと考えており、らくーざが見つかるまでは不安もありましたが、導入の目処が付いた時点で、フリーアドレスオフィスが成功すると確信しました。
― 今後の利用拡大の予定などがあれば教えてください。
まだ利用を開始したばかりで大きな不満もなく、具体的な予定はありませんが、抽選の際にその日の気分を選択できる項目があるので、その情報と座席の抽選結果を連動できたりするようになれば、用途はさらに広がるかもしれません。
― NJCネットコミュニケーションズへの要望や期待があれば教えてください。
何か1つの対策を行えば、それでずっと問題が起きなくなるわけでもないのが業務改革というものですので、手を打ち続けていかないといけません。 そこをらくーざにも助けて頂けたらと思います。さらにコミュニケーションの活性化を促進するような機能を切望しています。 担当者の対応が迅速かつ丁寧なので、さまざまな場面で助けられました。感謝しています。引き続き、安定したシステムの運用と、変わらない対応をお願いできればと思います。
*取材日時 2018年9月